忍者ブログ
作者が好き勝手やってる文字の掃き溜め
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

…さぁ何ヶ月ぶりでしょうか…
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
お久しぶりです。生きてます。
年が明けてしまいました( ̄。 ̄;)

さて今回は本編でも企画でもなく、ssです。しかもパロの。
設定は企画でゆにさんに献上したのを引きずってますが特に関連性はないです。単品で読めます。

リハビリ感覚で書いたので短いです。リハビリじゃなくても短いですが。
起承転結がないです。あ、これもいつもか。
イルネス視点です。
よろしければ続きからどうぞ。

拍手[1回]








こたつむり、こたつ抜き。


「さみぃ」
そう言葉を漏らしたのは背後の席に座る持ち込んだブランケットにくるまる男、レイズだった。女子かお前は。
しかし仕方ないとも言える。俺も寒い。
やり過ぎ感は否めないが。
原因は暖房にある。
いくら無償化になろうが得をするのは生徒側、公立校自体は得てして貧乏というもので。
まぁ何が言いたいかというと暖房がない。否、あることにはあるが古いので暖まるのが遅い上、近くしか効果がない。問題のその位置は教卓近くにあり前方窓側の生徒しか恩恵を受けられないのだ。
そして俺らは窓側最後列の三席を後ろからクロノ、レイズ、俺の順で並んでる。つまり窓からの風が身体を冷やすだけで暖まるすべがないのだ。
とはいえ人口密度が高ければ自然と温度も上がるというもの。だというのに、やれ換気だと休み時間ごとに窓を開けられせっかく温んだ空気が新鮮なしかし鋭利なほど冷たい空気に流されてしまう。
その結果がこの毛布お化けというわけだ。因みにこのそこら辺で売っているものより数段あったかく手触りもいいブランケットは矢張りというか彼女プレゼンツで剥ぎ取ってやろうと思ったことは数知れず。
さらに因みにこのブランケットの下は制服であるチャコールグレーのブレザーの下に黒カーディガン、ワイシャツの下にヒートテック、さらにそこに貼るカイロと重装備である。このままいけば数週間とかからず腹巻きも追加されるだろう。外に出ればコレにコートとマフラーだ。これもイヤーマフが追加されるのは時間の問題である。公立だから特に指定がないのをいいことに着込む着込む。
と、これの説明はここまでにして。
「次理科室だぞ。早くしろや。」
移動教室を促す。方法?んなもん椅子を蹴る一択だ。
さて、ここで問題がある。
理科室は常に使われているわけではないから寒い。ついでに移動するために廊下も歩くがそこも寒い。
肌寒い程度の教室で死にかけてる某毛布お化けにとっては死刑宣告以外の何物でもない。
矢張りというか動く気配すらない。
イラっとしたので強めに椅子の足を蹴る。今度はコレの足を蹴ってやろう。
「出席日数も危ないだろ?……俺のブレザーも着るか?」
「だあっ、クロノ甘やかしすぎだろ!弟もお前なんとかしろよ。こないだすっげー睨まれたんだけど。」
「あー、なんか信号無視してたの見てたらしいな。小学生見てるのにって言ってた。」
「あースイマセンネー。」
クロノの弟は見た目は目つきの悪いガキだがこの兄にしてこの弟、というかすこぶるマナーや礼儀がいい。だからそんなものに価値を感じず、あくまで立場を悪くしない程度にだがそういうことを無視する俺は目の敵にされている、らしい。
如何せん会う機会もそうないので伝聞だが。
俺はといえばそいつの評価もどうでもいいので直す気もさらさらない。
と、そんなことはどうでもいい。移動教室用の時間は悲しいほど短く、うかうかしてると終わってしまう。
となれば、
「置いてこう。」
この結論に至るのは当然である。
クロノの心配なんて知ったこっちゃない。こいつは皆のお父さんだから仕方ない。
「う……」
流石に効いたのか(どちらの言葉が、とは聞かない)やっと某毛布(ryがもぞもぞと動く。教科書その他は置き勉しているので机の中を探せばいい。
そこまで汚いわけではないのでそれは案外すぐに見つかったようで(当たり前だが俺らはもう移動するだけの状態だ)教科書ノートを抱えるように持ち、2色ボールペン付きのシャーペンと絶命寸前の消しゴムをブレザーのポケットに入れて漸く席から立った。ブランケットは肩に掛かったままだ。
もう一度いう、女子か。
のろのろとした動作に苛立ちが募る。
ので、さっさと教室をでた。やっぱ最初からこうしているべきだった。
ずっと喋っていつも最後になる女子すら鍵締めが面倒くさいらしく既にいない。
防犯上の考慮か空になる教室には最後に出る人間が鍵をかけなければならない。
皆それがいやなのでさっさと行くし、いつもは俺もやつらもそうなのだが。
冷え込むこれからの季節はこんなことが増えるかもしれない。
と嫌な予感がよぎった。

それが見事に的中するのはこれから一週間とかからない話で。
それからヤツを待つという選択肢を消そうか迷い、その結論をどうしたのかはそのときの俺には知るよしもなく。

このときは廊下に出た途端、そのあまりの寒さにダッシュしやがり、待っててやった俺たちを置いてったヤツをどう処刑するかで頭はいっぱいだった。
やっぱそれ剥いでやる。

PR
COMMENT FORM
NAME
URL
MAIL
PASS
TITLE
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[03/25 マツリ]
[03/11 しもく]
[03/07 タチバナユニ]
[08/28 さわさわ]
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
時雨
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
カウンター
忍者ブログ [PR]
"時雨" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.