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作者が好き勝手やってる文字の掃き溜め
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またまたお久しぶりです!
結局なんもエイプリルフールやりませんでしたね!
ってなことよりも隔月以上に酷い…

今回はついったでお世話になってる桃月ユイさん宅の作品「Magician of Black」よりリュウさんとビィちゃんのssです。
リンクお迎え記念というのもありますが、二人の魅力に私があらぶった結果です。

本家のかっこよさとかかわいさとか欠片も出てませんが…
というかss書くときの癖で肝心のリュウさんの名前でてないです。青年がリュウさんです。
あとデュオさんすんません。

あ、いつものごとく短いです。

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醒めるような青に日差しが溶け、風も穏やかな日。まだ朝は肌寒い。
その日は珍しく、本当に珍しく仕事がない日だった。

だから、かの部屋の主は安眠を妨害されるでもなく、きっちり6時間眠りにつけた。彼にとって本当に珍しいことにまだベッドの住民である。


「マスター」

眠りが浅くなったのを見計らったように彼のバディである少女が呼ぶ。
目覚まし時計のように正確に、けれど煩さを感じさせない透き通るような声にベッドに潜り込んでいた青年のまなじりは微かに動いた。
やがて緩慢に開かれた瞳はまだ焦点があっていない。
滲む視界も瞬きすれば飛び込んでくるのは青年を覗き込む少女の姿。
窓から降る陽光を受けて艶めく黒髪、ビードロのようなあかい瞳。
喜怒哀楽がぽっかりと抜け落ちた顔は、だからこそ美しさを際立たせていた。
絵本から抜け出してきたような浮き世離れしたその出立からは少女が巨漢を難なく倒す姿は想像できない。
けれど、彼女をそのどちらもが『人間』から遠ざけていた。
そんな危うい存在が朝を告げ、覚えたてのスクランブルエッグを振る舞うその姿は見る人が見れば滑稽以外の何物でもないのだろうけれど。
青年は受け入れる。当たり前のこととして。(教え子に聞いても何のてらいもなく寧ろ何が変なのか、と言われるだろうが。)
そしてそんな少女の行動に青年は嬉しくなるのだ。

唯、青年と少女は紛れもなくバディであり、少女は確かにいきていることは青年の真実なのだから。

「おはよう、ビィ。」

ベッドから上半身を起こし同じくらいの高さになった目線になって、どこにも眠気を感じさせない声で告げる。
青年の表情は柔らかく、少女の表情はやはりわからない。

苦笑と共にくしゃりと少女の頭を撫でた手の意味を彼女はまだ知らない。

「おはようございます。マスター。」
それでも、返事は返される。

青年は、それがひとつの奇跡だと知っていた。

わたあめ
(あまくて、しあわせで、すぐ消えてしまうの)










このあと我らが司令官が朝食を食べに押しかけ、黒き死神サマが降臨なさるのは全くの余談である。
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