作者が好き勝手やってる文字の掃き溜め
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新年あけましておめでとうございます。
お久しぶりです。
生きてます。
半年ぶりをオーバーしてしまいましたが本編の更新です。
伏線ばらまけたかなぁと思いつつ、読みづらくて申し訳ないです。
灰色から零れた陽光。誰も気づかない、気にしない。
街は霧に包まれていた。朝。
寒い。そういうには程遠い温度。誰もがまだ夢の中。
そんな中、ナーシャは起きていた。
結局、当面居座ることになったナーシャはルナと共にレイズのものであったベッドに寝ることになった。
安いベッドに二人寝転がったものの随分早く目覚めてしまったらしい。
向かい合っている少女はまだ目蓋を伏せている。
ナーシャは息を潜めるようにして、身じろぎすらしない。
そうっと、息をする。
ルナはまだ目覚めない。
無防備なものだ。互いに知らないことばかり。それでもその知らない人間を受け入れてしまうあたりお人好しが知れる。それとも単に思考が足りないのか。でも受け入れてしまったのはここの家主も同じで。
そういえばノリと多少の打算で仲良くした水色の男の子。彼もよくわからない。ただ、自分と似たものを感じた。あれは息するように嘘を吐ける人間だ。
かすかに上下する肩を見つめながらはっきり冴えた頭だけは目まぐるしく思考を続ける。
ごろりと寝返りを打つ。
ルナは変わらず寝ていた。
「あ、おはようございます!ルナちゃん!」
あのまま二度寝することなく、ナーシャは早々に起床してレイズをたたき起こし、朝食の準備を手伝っていた。これが居候としてあるべき姿か、と先人二人のせいで若干ズレてしまった思考でレイズは地味に感動していた。
朝早く起こされたのはいただけないが。
そんな感動を他所に、先住民二人は起きる素振りがなく、そのうちの一人、ルナが起きてきたのは空気も温まってきた頃だった。
「なんで同じ場所で寝てるナーシャのがはえーんだよ。」
思わず、というか当然の文句を言えば、
「……そこで寝こけてるシアよりは早い。」
なんて減らず口が返ってくる。
そこへ間髪いれずに、
「ざーんねんでした!起きてるよ!」
と眠気の欠片もない声がソファから聞こえてくる。
「なら手伝え!」
とのレイズの文句は然るべきだろう。
ナーシャはそんなやりとりをくすくすと笑っているだけである。
ああいえばこういう。そのレイズの怒りをいつものように無視してぽつりと言葉を落としたのはルナだった。
「夢を、」
しかし、その様子はいつもとはどこか違っていた。
「ん?」
要領を得ない言葉。
それもいつものことだったがどこかぼんやりしており、色素の薄い肌が一層白く見えた。
それに気づいているのかいないのかレイズが聞き返せば、ぼんやりと、曖昧に返される。
「ゆめをみた、気がする。」
「覚えてるんですか?」
ナーシャの問いにルナは首を横に振って返す。
「でも、水の中にいた。」
「……そっか。でも思い出せないなら気にしない気にしない!さ、ご飯たべましょ?」
彼女の明るい言葉にルナの表情もかすかに和らいだ。
「でもでもレイズくんが料理得意とか意外です。ウケますね!」
話題はレイズに移る。
「だよね?ちゃらんぽらんなイメージなのに。ヒモとかやってそー。」
それに乗るのは勿論シア。
「なら喰うな。そして出てけ。」
何かにつけていじられるレイズとしては最早反応するのは面倒な話で。
「えー。だって、ほら先輩へタレじゃないですかー。『いい人なんだけど…』ってふられそうなイメージ!」
「あ、それ分かります!」
そんなレイズを他所に勝手に自分で盛り上がる二人。
「ふっざけんな。それに、」
じりりりりりり。
と、会話は料理用タイマーとしてセットしておいた目覚ましによって遮られた。
「ほら、早く食べましょ。」
自分を棚に上げたシアにレイズは項垂れたのだった。
お久しぶりです。
生きてます。
半年ぶりをオーバーしてしまいましたが本編の更新です。
伏線ばらまけたかなぁと思いつつ、読みづらくて申し訳ないです。
灰色から零れた陽光。誰も気づかない、気にしない。
街は霧に包まれていた。朝。
寒い。そういうには程遠い温度。誰もがまだ夢の中。
そんな中、ナーシャは起きていた。
結局、当面居座ることになったナーシャはルナと共にレイズのものであったベッドに寝ることになった。
安いベッドに二人寝転がったものの随分早く目覚めてしまったらしい。
向かい合っている少女はまだ目蓋を伏せている。
ナーシャは息を潜めるようにして、身じろぎすらしない。
そうっと、息をする。
ルナはまだ目覚めない。
無防備なものだ。互いに知らないことばかり。それでもその知らない人間を受け入れてしまうあたりお人好しが知れる。それとも単に思考が足りないのか。でも受け入れてしまったのはここの家主も同じで。
そういえばノリと多少の打算で仲良くした水色の男の子。彼もよくわからない。ただ、自分と似たものを感じた。あれは息するように嘘を吐ける人間だ。
かすかに上下する肩を見つめながらはっきり冴えた頭だけは目まぐるしく思考を続ける。
ごろりと寝返りを打つ。
ルナは変わらず寝ていた。
「あ、おはようございます!ルナちゃん!」
あのまま二度寝することなく、ナーシャは早々に起床してレイズをたたき起こし、朝食の準備を手伝っていた。これが居候としてあるべき姿か、と先人二人のせいで若干ズレてしまった思考でレイズは地味に感動していた。
朝早く起こされたのはいただけないが。
そんな感動を他所に、先住民二人は起きる素振りがなく、そのうちの一人、ルナが起きてきたのは空気も温まってきた頃だった。
「なんで同じ場所で寝てるナーシャのがはえーんだよ。」
思わず、というか当然の文句を言えば、
「……そこで寝こけてるシアよりは早い。」
なんて減らず口が返ってくる。
そこへ間髪いれずに、
「ざーんねんでした!起きてるよ!」
と眠気の欠片もない声がソファから聞こえてくる。
「なら手伝え!」
とのレイズの文句は然るべきだろう。
ナーシャはそんなやりとりをくすくすと笑っているだけである。
ああいえばこういう。そのレイズの怒りをいつものように無視してぽつりと言葉を落としたのはルナだった。
「夢を、」
しかし、その様子はいつもとはどこか違っていた。
「ん?」
要領を得ない言葉。
それもいつものことだったがどこかぼんやりしており、色素の薄い肌が一層白く見えた。
それに気づいているのかいないのかレイズが聞き返せば、ぼんやりと、曖昧に返される。
「ゆめをみた、気がする。」
「覚えてるんですか?」
ナーシャの問いにルナは首を横に振って返す。
「でも、水の中にいた。」
「……そっか。でも思い出せないなら気にしない気にしない!さ、ご飯たべましょ?」
彼女の明るい言葉にルナの表情もかすかに和らいだ。
「でもでもレイズくんが料理得意とか意外です。ウケますね!」
話題はレイズに移る。
「だよね?ちゃらんぽらんなイメージなのに。ヒモとかやってそー。」
それに乗るのは勿論シア。
「なら喰うな。そして出てけ。」
何かにつけていじられるレイズとしては最早反応するのは面倒な話で。
「えー。だって、ほら先輩へタレじゃないですかー。『いい人なんだけど…』ってふられそうなイメージ!」
「あ、それ分かります!」
そんなレイズを他所に勝手に自分で盛り上がる二人。
「ふっざけんな。それに、」
じりりりりりり。
と、会話は料理用タイマーとしてセットしておいた目覚ましによって遮られた。
「ほら、早く食べましょ。」
自分を棚に上げたシアにレイズは項垂れたのだった。
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