作者が好き勝手やってる文字の掃き溜め
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月の影を照らす
淡く淡く誰にも知られずに
明治時代っぽいパロ。
クルナシャです。
名前は和名にかえてます。趣味です。
二人しか出ないので女の名前がナーシャで男の名前がクルです。
…大分前に書いたアリレイ(瞑目も許されず)よりアウトです。
やることやってます。
なので義務教育の方や苦手な方はご遠慮ください。
「あら、今日も来て下さったんでありんすか。」
鈴を転がすように笑うおんな。
彼女の前には甘い顔をしたおとこ。
「おうさに会うためなら、ね。」
和紙越しの橙だけが照らす暗い部屋。
少女といってもいいような顔をしたおうさと呼ばれたおんなは
青年に酒をつぐと深緋の瞳が三日月に細めまた鈴を転がした笑みをつくる。
「お上手だこと。」
それを流すように濃紅が伏せられた。
口元の笑みだけが彼の人の感情を伝える。
「案外、本気かもよ?」
そんなことばにも彼女は笑みしか返さない。
「狸が、」
と、そんな談笑のなかのさりげない話。
ゆるやかに変わった話題のひとつ。
「最近騒がしいみたいでありんすねぇ。」
それに対して酒を煽る青年はくすりと笑って
「そりゃあ、狐が黙ってないさ。」
と冗談めかしていう。
「まぁ。
ではその狐と仲良く悪戯をされたらきっと困るでしょう?」
とおうさもわらって返す。
ふ、と風で燭が消えた。
満月を過ぎた居待月。
その煌々としたひかりのもと。
影が、重なる。
「いつ?」
そのまま横たえられた褥の中。
脈絡のない問い。
それにもおうさは
「一昨日。ほんに皆橈さまはいいときに来らしった。」
とわらう。
「ふふ、それは良かった。
あとでお酒、追加しておいて。」
「流石、大佐さま。気前がよろしいことで。」
「ご褒美さ。
それに、
君に、だからだよ。」
睦言とは程遠い、けれど歯に浮く言葉の羅列。
それを並べたてる皆橈はするするとおうさの輪郭をたどりながらくちを、彼女の耳元によせる。
「那奈」
ひくり、と彼女が戦慄いたのは小さくも甘いその言葉にか、
剣を持つとは思えないすべらかなその手の巧みな愛撫にか。
それに返すようにおうさは
「来栖さま」
と艶やかに微笑んだ。
酒精のあまやかな香りに心もからだも酔った心地になる。
その空気を浚うように夜風が吹いた。
それでもふたりは重なったまま。
与えられる快楽を逃すように反らされた喉の白さも、空をかくつまさきも、
月の淡いひかりは妖しく美しく照らす。
白に散ったみどりの黒髪は頬にも掛かり、緩くおとこの背にまわされた腕(かいな)が乱れなど見あたらない布地に皺をつくる。
時折吐き出される吐息は色めいていて。
おとこもあやすように優しく触れる。
まるで、
好き合ってるようだ
と思ったのはどちらだったか。
浮世を離れた場所で猶、夢をみれないふたりは
唯、
戯れを繰り返す。
十八夜の真宵
すくえない、嘘をつく
あとがき
設定創りこみすぎて終らなくなったので割愛。
皆橈来栖→クルーエル。若年ながら大佐で参謀副長を任されている。
おうさ(那奈)→ナーシャ。散茶女郎。遊女のときの名前は勿論うさぎさんからw
みどりの黒髪のみどりは色のみどりじゃないので表現としては間違ってない、はず。
廓言葉とか適当ですいません。
時代背景としては多分日露あたり。
なんか江戸時代中に太夫とか格子女郎消えたらしいんで位を散茶にしてみたり。
作中の狸とか狐は那奈の客で来栖の政敵である軍上層部です。
動きをほのめかしてます。
ばっさり切りすぎた感があるので続きかくかもです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
淡く淡く誰にも知られずに
明治時代っぽいパロ。
クルナシャです。
名前は和名にかえてます。趣味です。
二人しか出ないので女の名前がナーシャで男の名前がクルです。
…大分前に書いたアリレイ(瞑目も許されず)よりアウトです。
やることやってます。
なので義務教育の方や苦手な方はご遠慮ください。
「あら、今日も来て下さったんでありんすか。」
鈴を転がすように笑うおんな。
彼女の前には甘い顔をしたおとこ。
「おうさに会うためなら、ね。」
和紙越しの橙だけが照らす暗い部屋。
少女といってもいいような顔をしたおうさと呼ばれたおんなは
青年に酒をつぐと深緋の瞳が三日月に細めまた鈴を転がした笑みをつくる。
「お上手だこと。」
それを流すように濃紅が伏せられた。
口元の笑みだけが彼の人の感情を伝える。
「案外、本気かもよ?」
そんなことばにも彼女は笑みしか返さない。
「狸が、」
と、そんな談笑のなかのさりげない話。
ゆるやかに変わった話題のひとつ。
「最近騒がしいみたいでありんすねぇ。」
それに対して酒を煽る青年はくすりと笑って
「そりゃあ、狐が黙ってないさ。」
と冗談めかしていう。
「まぁ。
ではその狐と仲良く悪戯をされたらきっと困るでしょう?」
とおうさもわらって返す。
ふ、と風で燭が消えた。
満月を過ぎた居待月。
その煌々としたひかりのもと。
影が、重なる。
「いつ?」
そのまま横たえられた褥の中。
脈絡のない問い。
それにもおうさは
「一昨日。ほんに皆橈さまはいいときに来らしった。」
とわらう。
「ふふ、それは良かった。
あとでお酒、追加しておいて。」
「流石、大佐さま。気前がよろしいことで。」
「ご褒美さ。
それに、
君に、だからだよ。」
睦言とは程遠い、けれど歯に浮く言葉の羅列。
それを並べたてる皆橈はするするとおうさの輪郭をたどりながらくちを、彼女の耳元によせる。
「那奈」
ひくり、と彼女が戦慄いたのは小さくも甘いその言葉にか、
剣を持つとは思えないすべらかなその手の巧みな愛撫にか。
それに返すようにおうさは
「来栖さま」
と艶やかに微笑んだ。
酒精のあまやかな香りに心もからだも酔った心地になる。
その空気を浚うように夜風が吹いた。
それでもふたりは重なったまま。
与えられる快楽を逃すように反らされた喉の白さも、空をかくつまさきも、
月の淡いひかりは妖しく美しく照らす。
白に散ったみどりの黒髪は頬にも掛かり、緩くおとこの背にまわされた腕(かいな)が乱れなど見あたらない布地に皺をつくる。
時折吐き出される吐息は色めいていて。
おとこもあやすように優しく触れる。
まるで、
好き合ってるようだ
と思ったのはどちらだったか。
浮世を離れた場所で猶、夢をみれないふたりは
唯、
戯れを繰り返す。
十八夜の真宵
すくえない、嘘をつく
あとがき
設定創りこみすぎて終らなくなったので割愛。
皆橈来栖→クルーエル。若年ながら大佐で参謀副長を任されている。
おうさ(那奈)→ナーシャ。散茶女郎。遊女のときの名前は勿論うさぎさんからw
みどりの黒髪のみどりは色のみどりじゃないので表現としては間違ってない、はず。
廓言葉とか適当ですいません。
時代背景としては多分日露あたり。
なんか江戸時代中に太夫とか格子女郎消えたらしいんで位を散茶にしてみたり。
作中の狸とか狐は那奈の客で来栖の政敵である軍上層部です。
動きをほのめかしてます。
ばっさり切りすぎた感があるので続きかくかもです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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