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硝子一枚を隔てた雨の気配にチャコは溜め息をつく。
まだ降り出さない、澱んだ灰色は一層黒に近づいていて。
反射で鏡のように己を映す窓は蛍光灯の明かりで白んでいた。
今日も今日とて外へ飛び出していった同居人。
よく飽きないな、と言えばどんな答えが返るやら。
「彼女」が今日、外へ出るメリットはないと思うが、彼に会いになら来るかもしれない。
お熱いデスネと今度からかってやろうと思いつつ、零れたのは自分への嘲りに似た笑み。

思考を切り替える。

自分を責める謂われはないのだから。

傘はもっていけといったから濡れる心配はないだろう。
だがこの時期の雨は小雨だろうが空気を冷やす。

「しょうがねーな」

コーヒーを淹れて、ラテアートでもしてやるか。
と気まぐれで思い立つ。


その声が、表情が、存外に柔らかいものだったことは本人も気づかないままだった。


珈琲、ブラック、ミルク入り
(ぬるま湯みたいな１日)

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あとがき

ふざけたタイトルは社学の先生の学生時代、先生の友人が頼んだブツです。
色使いのセンスなくてごめんなさい。


チャコ兄さんの特技を聞いて黙ってられなかったんだ…

見ていただきありがとうございました！