作者が好き勝手やってる文字の掃き溜め
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やっとact2しゅーりょー!
長かった。のに長さはそんなんでもないんでしょうか(知らんわ。
当初あげていた部分にも多少の加筆修正入っております。
12月11日加筆修正しました(レイズとシアの会話のみ)
笑ってしまうほど、
期待も絶望も早すぎた。
モラトリアムはあと5秒
つかの間の夕日が二人の影を長く長く伸ばす。
長かった。のに長さはそんなんでもないんでしょうか(知らんわ。
当初あげていた部分にも多少の加筆修正入っております。
12月11日加筆修正しました(レイズとシアの会話のみ)
笑ってしまうほど、
期待も絶望も早すぎた。
モラトリアムはあと5秒
つかの間の夕日が二人の影を長く長く伸ばす。
帰路に着く男と、それを追いかける青年。
「せんぱーい」
「…」
「せんぱい」
「……」
「先輩ってば、聞いてます?」
「だぁぁぁぁぁっ、
確かに面倒見ることにはなったが
衣食住の面倒までみるなんて聞いてねぇぞ!!」
一方的な声、その結論としての怒声。
そんなことはお構い無しに怒鳴られた青年は
「仕方ないじゃないですか。
俺、家無し子なんですから。
じゃなきゃ先輩なんかの家、いきませんって。
俺もごめんですよ。」
と言ってのけた。
その言動に今の同居人がデジャヴした男、レイズ。
盛大な溜息は忘れずに、しかし再び開かれた口は
先ほどのような怒声ではなく呆れ諦め、そして一抹の情け無さを含んでいた。
「お前…、……だったらアリアにでも頼めばよかったろ…」
「ボスにそんな厚かましい真似、できるわけないじゃないですか。」
「……俺ならいいのかよ。」
「はい。」
即答で且つ当然のような声色で返され本気で目の前の青年を撃ち殺したくなったレイズだった。
「…、つーかカーマインの御曹司が家無いとか…」
「せんぱーい」
「…」
「せんぱい」
「……」
「先輩ってば、聞いてます?」
「だぁぁぁぁぁっ、
確かに面倒見ることにはなったが
衣食住の面倒までみるなんて聞いてねぇぞ!!」
一方的な声、その結論としての怒声。
そんなことはお構い無しに怒鳴られた青年は
「仕方ないじゃないですか。
俺、家無し子なんですから。
じゃなきゃ先輩なんかの家、いきませんって。
俺もごめんですよ。」
と言ってのけた。
その言動に今の同居人がデジャヴした男、レイズ。
盛大な溜息は忘れずに、しかし再び開かれた口は
先ほどのような怒声ではなく呆れ諦め、そして一抹の情け無さを含んでいた。
「お前…、……だったらアリアにでも頼めばよかったろ…」
「ボスにそんな厚かましい真似、できるわけないじゃないですか。」
「……俺ならいいのかよ。」
「はい。」
即答で且つ当然のような声色で返され本気で目の前の青年を撃ち殺したくなったレイズだった。
「…、つーかカーマインの御曹司が家無いとか…」
「あれ、ボスから聞いてません?情報弱者は早死にしますよ?」
「……お前とは今日会ったばかりだし、押し付けられたのも今日だぞ?」
さも当然のように、しかも小馬鹿にするように言うシアに真っ当な意見を返すレイズ。
因みに彼の名誉の為に言うならば組織に属している以上、情報に疎い訳でもない。
それでもレイズは組織に次ぐナンバー2の企業に何かあったなどとここ最近で聞いたことはなかった。
因みに彼の名誉の為に言うならば組織に属している以上、情報に疎い訳でもない。
それでもレイズは組織に次ぐナンバー2の企業に何かあったなどとここ最近で聞いたことはなかった。
そんな彼に対してシアは少し得意げに自分の持つ情報を明かす。
「潰れたんですよ。あそこ。」
「は?」
突然で強烈な情報は信憑性が全くといっていいほど付随していない。呆気にとられるレイズにシアは更にいう。
「僕がなんで組織で幹部クラスの扱いを受けられるか、わかります?」
「…わかりたくないが。」
この話の流れからして答えが出てしまったレイズはげんなりと返す。それに比べシアは至極楽しそうに答え合わせを口にする。
「成り行きですよ。」
「おい」
ここまで言っておきながら返ってきたのは曖昧すぎる一言。
それに苦言というよりは突っ込みをすれば「もー冗談ですよー」と間延びした声が返る。
言いながらくるりと一回転するとレイズの半歩前に出た。
「成り行きですよ。」
「おい」
ここまで言っておきながら返ってきたのは曖昧すぎる一言。
それに苦言というよりは突っ込みをすれば「もー冗談ですよー」と間延びした声が返る。
言いながらくるりと一回転するとレイズの半歩前に出た。
「カーマイン社の社長と幹部の首。そして握っていた‘最果て’の利権と全財産、ボスに献じました。」
軽い口調で語られたそれは、あまりに重い事実。
カーマインの姓を冠している以上、シアキシアと社長の関係は実の親子のはずで。
且つ血統より能力を重んじるこの都市にあって、カーマインの幹部は社長の実子が占めているのも有名な話。つまるところ、幹部もシアの兄姉である。
「……事実と、経緯や想いを含んだ真実は案外、違うものだろ。」
いつの間にか再びレイズが前方を歩き、いつのまにか辿り着いていたアパートの、レイズが住む一室の、その、扉の前。
シアの方を振り向きもせずにさっさと入るレイズ。それでも扉が閉まっても錠の落ちる音はせず、暗にシアが入ることを許容していた。
すぐには扉を開けず、シアは今しがた聞こえた自分より少しばかり年上の『先輩』の言葉を思案する。
「…思ったより、馬鹿ではないんですね。」
口元に浮かんだ笑みはやはり嘲りを含んでいたが、それはどちらかというと自分に向けたもので。
「まぁ、手段と目的を入れ替えただけのハナシですよ、先輩。」
呟かれた言葉はどちらも薄い扉の向こう側に届いてはいないだろう。そう確信できるほど小さな声。
「ほら、入んのか、入んないのか。」
来ると思った人物が一向に入ってこないのをいぶかしみ扉を少しあけるレイズに、
「入りますよー。意地悪しないでください。」
と返すシアの表情は逆光でレイズからは見えなかった。
尤もそれはいつもの嘲笑でしかなかったのだけど。
*
「あれ、クロノは?」
少女が同居人を探して同じく同居人の少年に尋ねたのは日が沈みかけたころだった。
少女は金髪に左は緑の瞳だったが右は無機物のような透明で、少年も金髪で、その瞳もまた太陽光のような金色だった。
「さっき出かけた。」
問われた少年は寝転がった姿勢を正すことなく、手にした本に視線をやったまま、少女のほうを見もせずに答える。
「仕事?」
それを気にする風も無く、というよりは少女はもう一人の同居人の行方のほうが気になるらしい。
「ならお前にも一言言ってくだろ。あー、今日の晩飯、エレナと二人かよ…」
そんな少女に気づいているのかいないのか、やはり少年は少女のほうを見ずに溜息を零す。
「な、私だってカルマと二人きりなんてっ」
少年のあからさまなものいいに少女も噛み付いた。
「ああ?」
「何よ!」
傍から見れば只の痴話喧嘩にしか見えないが、それを突っ込む者はこの場にいなかった。
「あら、クロノ。久しぶりね。」
イルネス・ホルムが開くアンダーグラウンドな診療所へ足を運んだクロノは顔なじみと出くわした。
金髪に、イルネスのそれと同じの深緑の瞳を持った、女性の美醜に頓着がないクロノから見ても美人といえる女性。
「イルネスは?」
「それがいな「いるぞ。」
その彼女に問うた答えは本人から返ってきた。
「っていうか何で姉貴いんの?」
「あんたこそさっきいなかったじゃない。」
イルネスと彼女―もといイルネスの姉、カーナライト・ホルムとの間で姉弟喧嘩が勃発しそうになったのを察してクロノが話題を振る。
「で、イルネス。話あんだろ。」
「あー」
「なになに?」
「姉貴は関係ねぇって。」
「……ふーん。ま、いいわ。あんたも偶には連絡いれなさいよ。」
「あー」
話に入れないカーナはあっさりと引き下がる。
てっきり食い下がると思っていたイルネスは、肩透かしを食らったように去っていく姉の背を髪を掻きながら呆然とした面持ちで見送った。
「なにしにきたんだ?アイツ。」
「…お前が家に連絡しないからだろ?」
溜息混じりのクロノの言葉に「そんな奴じゃない」と反論するイルネス。その反応に呆れつつ、長い付き合いからそれがイルネスだと思うクロノだった。
「さて、」
イルネスの診療所、という名の研究室で腰を落ち着けた二人。
話を切り出したイルネスの空気が変わる。
「あの阿呆について、話をするか。」
その言葉にクロノは小さく頷き、拳には力が込められた。
*
外は夜の帳がおりていた。
窓のない回廊は昼間と変わらずに薄暗く、時代錯誤なランプが淡くそこを照らしていた。
コッ、と足音が響くのはここの社主の趣味といってもいいかもしれない。
その音にクルーエルが振り返れば、いつも笑みを湛える彼には珍しく露骨に顔をゆがめた。
「なんだ、もう帰ってきたの。」
帰ってこなくてよかったのに、と続ける。
「帰ってきて早々アンタの顔を拝むこっちの身にもなれっていうもんですよ。」
対して返ってきた声は低く男のものだとわかる。こちらも険を含んでいて。
コッ、と近づいてきた影の顔がランプに照らされ、声の主の顔が現れる。
クルーエルより暗めの茶髪は外にはねていて肩より長く、青い目は彼をねめつけていた。
身長は高めで見下ろすかたちとなる。
二人が再び口を開き第二ラウンドがはじまろうとしていた、ときだった。
「ちょ、クルにいさんもミロくんも、そないなとこで喧嘩、おっぱじめんといて。」
相手を射殺さんとする殺気をものともせずに介入してきた第三者によって収束される。
夕日のような橙の短髪に太陽光の色をした瞳をもつ大男。
クロノと同じか、それ以上かもしれないその体躯は服の上からでも鍛え上げられているのがわかる。
「君も帰ってたんだ。」
「ええ。なんや、おもろそうなことになってるみたいですな。」
「どうかな。」
ボスに用があるんでしょ、と扉に促すその表情はいつもの笑みで。
そこを通り抜けて男はふたり、彼女のもとへと足を進める。
「あら、思ってたより早かったわね。」
扉が閉まる音がするより早く、彼女―アリアは口元に弧を描いて出迎えた。
「ミロワール、それにレーヴェも。」
ミロワールは先ほどのクルーエルとの諍いの名残はなく無表情に、
レーヴェと呼ばれた大男は変わらずへらりと笑いながら、
それぞれの報告をアリアにもたらした。
あとがき。
大変長らくおまたせしました。
待ってるひとなんていないっていう自虐ネタは置いておきます、ね。
ええと、キャラ出しすぎた…
なんか最初はレーヴェ最後に出して終わりだったのに…
タイトルを折角モラトリアム(猶予期間)にしたんで、次を大きく動かすために出しときたかったんです。
簡易キャラ紹介。
カルマ、エレナ…クロノの同居人のがきんちょ。歳は15と17
ミロ、レーヴェ…今までいなかった組織のえらいひと。ミロとクルは超絶仲わるい。ふたりとも性格悪いから手足出さずに口。嫌味の応酬。レーヴェはいつもへらへらしてるひとです。
よし、これでキャラ設定暫く更新しなくてm…
久々すぎて何をあとがけばいいのかわかんない…
あと、なんかしぶのレイアス小説が嬉しい反応いただいたんで、近日中にこっちにも上げてしまおうかと…
あくまで未定ですが。
それでは今回はここまで。
読んでくださりありがとうございました!
*
「あれ、クロノは?」
少女が同居人を探して同じく同居人の少年に尋ねたのは日が沈みかけたころだった。
少女は金髪に左は緑の瞳だったが右は無機物のような透明で、少年も金髪で、その瞳もまた太陽光のような金色だった。
「さっき出かけた。」
問われた少年は寝転がった姿勢を正すことなく、手にした本に視線をやったまま、少女のほうを見もせずに答える。
「仕事?」
それを気にする風も無く、というよりは少女はもう一人の同居人の行方のほうが気になるらしい。
「ならお前にも一言言ってくだろ。あー、今日の晩飯、エレナと二人かよ…」
そんな少女に気づいているのかいないのか、やはり少年は少女のほうを見ずに溜息を零す。
「な、私だってカルマと二人きりなんてっ」
少年のあからさまなものいいに少女も噛み付いた。
「ああ?」
「何よ!」
傍から見れば只の痴話喧嘩にしか見えないが、それを突っ込む者はこの場にいなかった。
*
「あら、クロノ。久しぶりね。」
イルネス・ホルムが開くアンダーグラウンドな診療所へ足を運んだクロノは顔なじみと出くわした。
金髪に、イルネスのそれと同じの深緑の瞳を持った、女性の美醜に頓着がないクロノから見ても美人といえる女性。
「イルネスは?」
「それがいな「いるぞ。」
その彼女に問うた答えは本人から返ってきた。
「っていうか何で姉貴いんの?」
「あんたこそさっきいなかったじゃない。」
イルネスと彼女―もといイルネスの姉、カーナライト・ホルムとの間で姉弟喧嘩が勃発しそうになったのを察してクロノが話題を振る。
「で、イルネス。話あんだろ。」
「あー」
「なになに?」
「姉貴は関係ねぇって。」
「……ふーん。ま、いいわ。あんたも偶には連絡いれなさいよ。」
「あー」
話に入れないカーナはあっさりと引き下がる。
てっきり食い下がると思っていたイルネスは、肩透かしを食らったように去っていく姉の背を髪を掻きながら呆然とした面持ちで見送った。
「なにしにきたんだ?アイツ。」
「…お前が家に連絡しないからだろ?」
溜息混じりのクロノの言葉に「そんな奴じゃない」と反論するイルネス。その反応に呆れつつ、長い付き合いからそれがイルネスだと思うクロノだった。
「さて、」
イルネスの診療所、という名の研究室で腰を落ち着けた二人。
話を切り出したイルネスの空気が変わる。
「あの阿呆について、話をするか。」
その言葉にクロノは小さく頷き、拳には力が込められた。
*
外は夜の帳がおりていた。
窓のない回廊は昼間と変わらずに薄暗く、時代錯誤なランプが淡くそこを照らしていた。
コッ、と足音が響くのはここの社主の趣味といってもいいかもしれない。
その音にクルーエルが振り返れば、いつも笑みを湛える彼には珍しく露骨に顔をゆがめた。
「なんだ、もう帰ってきたの。」
帰ってこなくてよかったのに、と続ける。
「帰ってきて早々アンタの顔を拝むこっちの身にもなれっていうもんですよ。」
対して返ってきた声は低く男のものだとわかる。こちらも険を含んでいて。
コッ、と近づいてきた影の顔がランプに照らされ、声の主の顔が現れる。
クルーエルより暗めの茶髪は外にはねていて肩より長く、青い目は彼をねめつけていた。
身長は高めで見下ろすかたちとなる。
二人が再び口を開き第二ラウンドがはじまろうとしていた、ときだった。
「ちょ、クルにいさんもミロくんも、そないなとこで喧嘩、おっぱじめんといて。」
相手を射殺さんとする殺気をものともせずに介入してきた第三者によって収束される。
夕日のような橙の短髪に太陽光の色をした瞳をもつ大男。
クロノと同じか、それ以上かもしれないその体躯は服の上からでも鍛え上げられているのがわかる。
「君も帰ってたんだ。」
「ええ。なんや、おもろそうなことになってるみたいですな。」
「どうかな。」
ボスに用があるんでしょ、と扉に促すその表情はいつもの笑みで。
そこを通り抜けて男はふたり、彼女のもとへと足を進める。
「あら、思ってたより早かったわね。」
扉が閉まる音がするより早く、彼女―アリアは口元に弧を描いて出迎えた。
「ミロワール、それにレーヴェも。」
ミロワールは先ほどのクルーエルとの諍いの名残はなく無表情に、
レーヴェと呼ばれた大男は変わらずへらりと笑いながら、
それぞれの報告をアリアにもたらした。
あとがき。
大変長らくおまたせしました。
待ってるひとなんていないっていう自虐ネタは置いておきます、ね。
ええと、キャラ出しすぎた…
なんか最初はレーヴェ最後に出して終わりだったのに…
タイトルを折角モラトリアム(猶予期間)にしたんで、次を大きく動かすために出しときたかったんです。
簡易キャラ紹介。
カルマ、エレナ…クロノの同居人のがきんちょ。歳は15と17
ミロ、レーヴェ…今までいなかった組織のえらいひと。ミロとクルは超絶仲わるい。ふたりとも性格悪いから手足出さずに口。嫌味の応酬。レーヴェはいつもへらへらしてるひとです。
よし、これでキャラ設定暫く更新しなくてm…
久々すぎて何をあとがけばいいのかわかんない…
あと、なんかしぶのレイアス小説が嬉しい反応いただいたんで、近日中にこっちにも上げてしまおうかと…
あくまで未定ですが。
それでは今回はここまで。
読んでくださりありがとうございました!
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