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死角的境界線


声がしたのでぐるりと首だけをそちらにやった。
眼前には胡散臭い笑み。
もっともそう見えるのは男の本性を知っている者か、男が故意にそうしているときかだけらしい。
そもそも本性を知る、ということばは語弊がある。
この男の本性などあってないようなもの。知ろうとするだけ無駄だ。
それでも心底嫌いなことには変わりはないし、仕事場で己にみせる顔を知って、この笑みが好青年とか、あまつさえ爽やかとか、思うのも無理な話。
そして、その口から吐き出されるのは、毒。



男は口を開いた。
流れる言葉はまだ、致死量ではない。

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あとがき

これ、ほんとはレイズで書いてた(もっと簡潔だし好き嫌いとか書いてなかった)んですがクルーエルにそんな興味ないよなーと思ってナーシャになりました。
あとレイズじゃ最後の一文合わないんですよ。その点ナーシャはそこが合ってたんで。

タイトルの修正線は仕様です。

読んでくださってありがとうございます