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作者が好き勝手やってる文字の掃き溜め
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最近更新率ほんといいな。自分。
というわけで新しいactの始まりです。
前回出したキャラをじわじわ動かせていけたらと思います。

テストも終ったので書いてました。
やっとこさ完成!act3はこれで終了です。

タイトルが思いつかないんでかえるかもです。

拍手[1回]




 もういいかい もういいよ
 
 ぐるぐると回りだしたのは何だった、誰だった
 
 
機械仕アイロニー
 
 
 まだ朱が空を支配しているときに、ルナは帰宅を告げた。
 「あれ、先輩の子供ですか?」
 「こんな捻くれた餓鬼がいてたまるか!」
 とんでもないことを言い出す後輩に台所から怒鳴ることで否定する。
 
 「だれ。」
 見慣れない水色を見て当然の質問をルナがする。
 「シアキシアでっす。シアって呼んでください!」
 「ルナ・エイジア。」
 「これからよろしくおねがいします。」
 「……うん。」
 
 
 「どうしてそうなった…」
 レイズが料理が乗った皿を両手にリビングダイニングへ行ってみればどう意気投合したのか仲良く会話に花を咲かす二人の姿が。
 といってもシアが一方的に喋りルナが相槌を打つ―先刻のナーシャとルナのような構図だったが。
 
 今まで二脚で足りていた椅子が足りなくなったのでソファの前でローテーブルを出して座って食べる。
 「うわ、意外。なかなかいいですよ、センパイ。」
 「どの口がほざきやがる。」
 「え、この口ですけど。」
 あっけらかんと言ってのけるシアにレイズは溜息で返す。
 「ちょ、無視しないでくださいよー」
 ぞんざいな扱いにも気にせずに笑みを浮かべたまま。
 「レイズ。」
 と、そんな会話など聞こえていないように、―もしかしたら実際聞いていないのかもしれないが、言い放つ。
 「おかわり。」
 「あ、俺も。」
 ついでとばかりシアも便乗する。
 そんな家主を顎で使う居候二人に、
 
 「じぶんでやれ!」
 
 頭を抱えながらレイズは叫んだ。

       *

 「それで、だ。」

 何処までも白い部屋。
 何もなければそう形容するに相応しい場所だったが、実際はホルマリン漬けや人や動物の部位の標本等、およそ医者とは思えない、寧ろ奇天烈な科学者のような所有物の所為でわだかまるのはおどろおどろしい不気味さで、医務室特有の空々しさは感じさせない。
 その、イルネスの診察室―もとい研究室に影がふたつ。
 外はもう濃紺のなかに沈んでいるが、地下に存在するここは四六時中光源が蛍光灯なので時間の意識は薄れる。
 イルネスはいつものように煙草をふかすと紫煙を吐き出す。安い明かりに吹きつけるようなそのなかに溜息も含まれることはクロノも見て取れた。
 記憶を辿るように眼を細め、指先で煙草を弄びながら言葉を続ける。
 「あいつはあの日、アースを殺した。」
 事実の確認。それだけの一言。
 クロノが顔をしかめたのはその内容にか、それともそれを語る男の感情の読めなさにか。
 「それは本当、なんだよな?」
 クロノから出てきたのは当然ともいえる疑問。
 クロノ自身、レイズ本人から聞いている。だが、それは信じがたいことで、信じたくないことだった。
 
 「それよりもだ。」
 それはイルネスも同様だったが、彼の興味はそこではないらしい。それを感じる一言にクロノは薄ら寒さを覚える。だがすぐにこいつはこういうやつだったと納得する。同時にあいつはああいうやつだ、とも。
 そんなクロノの思考に気づいているのかいないのか、彼の問いは吐き出される。
 
 「あの餓鬼は何だ。」
 
 あの餓鬼、とはシアキシアの来訪を未だ知らない彼等にとって一人しか当てはまらない。レイズ・クォーツと    共に住むルナ・エイジア。
 彼女は三人に対して等しく他人だ。
 それなのに、あの状況で、ひとごろしと共にいる。
 怪しいの一言に尽きる少女。
 
 その少女を傍に置き、不承不承ながらも面倒を見ている。最愛を喪ったその日から。
 その奇怪はレイズにも、彼にこそ当てはまるのだと気づいていて二人は口にしない。他の誰も。
 
 「あの夜、何があったってんだ……」
 
 当事者にしか知りえない疑問に答える者はいるはずもなく。
 変わらず明るい蛍光灯の下、無音の数字の羅列だけが時間の移ろいを告げていた。

      *

「そういや、なんでセンパイ、ルナさんと同棲してるんですか?」
奇しくもイルネス、クロノと同じ疑問をあっさり訊ねるシア。
 
「同居、な。…えー、成り行き?」
それに対しレイズも至極簡単に答えた。
 
「事実と真実は違うモノなんでしょう?」
悪戯っぽく笑うシアにレイズは家路で交わした会話を後悔する。
「ったく、めんどくせぇ餓鬼だな…。
あいつが勝手に恩売りつけて居座りだしただけだ。」
 
ざっくりにも程がある説明に聞いた張本人は、
「ふぅん」
などと何処吹く風の返事。
 
「……聞いたくせにどうでもいいみたいな反応するくらいなら始めから聞くなよ。」
「でも不思議ですね。」
「あ?人の話聞いてねーだろ、お前。」
「ルナさん、ナニモノなんですかね?」
 
その問いにレイズは勿論答えられるはずもなかった。
 
      *
 
元々一人暮らしの部屋に三人分の寝る場所などあるはずもなく、ベッドはルナ、ソファにはシアが陣取る形となり、家主であるはずのレイズは
「肩凝るだろ、これ。」
椅子しか残っていないのであった。
テーブルに突っ伏す形で眼を閉じるレイズは先ほどのシアの問いを思いだす。
 
「んなモン俺が知りてぇよ。」
 
一ヶ月という期間は近寄るには十分で、踏み込むにはあまりに短い。
浅くも必要な眠りにおちる微睡みのなかでレイズはルナ・エイジアと交わした会話を思い出していた。



あとがき

はい、やっと終わりましたー
次の最初にちょろっと回想はいります。

つづきとしてあげていたときにも書きましたが、ソドムの世界観変えたいです。閉鎖空間はちょっと無理が出てきた…
んでイルネス、クロノ、レイズは友達でも悪友でもなく正しく腐れ縁です。
ニュアンス的な問題ですが。

レイズさん家は1LDKです。多分。ダイニングはないかな?
一人暮らしなら十分な広さでも三人は流石に無理ですね。
これにあと一人追加とか
というわけでレイズは座って寝ることになりました。
肩こりますねー。でもあれ気持ちいいんですよねー

ここまで読んでくださってありがとうございました!
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