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黒猫を見た
そう、目の前の腐れ縁にいったら笑われた。
見えるわけないと。
何度言った所で信じては貰えなかった。だから俺は伝えることは諦めた。

黒猫を見た
そう、もう一度伝えた。
今度は愛くるしいこえでないたのだと、伝えた。
それなのにあいつはわらうだけで。
信じることはなかった。

何故、
と問う
何故信じないのか
と

そしたらやつは笑って
お前はもう、目も、耳も、使えないからだと言った。
言って、笑った。

ああ、成程。
だが、ならどうして猫もお前も見えるし声が聞こえるんだ、と訊いた。

そしたらやつは笑って
お前の妄想だからだと答えた。

お前は自分が見えなくて聞けなくて猫も俺も見て聞くなんてできやしないことをずっとしってたからだ、と。

ああ、成程
ならこの手の甲に感じる冷たさも妄想なんだな、と俺も笑った。



刮目し、静聴せよ

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あとがき

後味悪くてすいません。
ぶっちゃけ、主心をこの形にしてから割と早くに書いたやつに近いです。
レイズの五感が使えなくなって喋ることしかできない。皆目の前にいるのに。
みたいな。
…昔から酷いもんばっか書いてたんだな…

ほんとはイルネスのポジ、アースで考えてたんですけど、本編でああなのに彼女にこの役押し付けるの忍びなくて…(お前



読んでいただきありがとうございました！